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ウォッチコラム

25.12.25

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【Cartier】サントス ドゥ カルティエ

みなさまこんにちは。

12月も中旬に差し掛かり、いよいよ2025年を終えようとしていますね。

みなさまはどのような1年を過ごされたのでしょうか。

新しい環境に飛び込まれた方、目標に向かって努力を重ねられた方、たとえ小さくてもそれぞれに‘‘飛翔’’があったことと思います。そんな1年を締めくくる今こそ、‘‘がんばった自分’’へ来年もまたさらに飛躍できる特別なご褒美を贈りたいですね。

Cartierもまた、一つの挑戦を成し遂げて2025年11月「サントス ドゥ カルティエ」コレクションから新作を発表しました。ついに、ツールウォッチ等に使われがちな「チタン」という素材を、見事にCartier流のエレガンスへと落とし込んだのです。

ということで今回は、自由と挑戦の象徴として誕生した〈サントス ドゥ カルティエ;Cartier〉をご紹介します。

 

 

 

[名作の誕生]

誕生してから今も老若男女問わず人気を誇るサントス。

カルティエと聞いてまず最初にサントスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

そんなサントスが誕生したきっかけは、3代目ルイ・カルティエへのとある友人からの依頼。

 

時は‘‘ベル・エポック’’と呼ばれる、パリが最も華やかな空気に満ちていた20世紀初頭。戦争を背景とした軍用懐中時計の誕生とは全く別のストーリーがパリの社交界で進行し、それまでの「腕時計は女性のための贅沢な宝飾品で、“男は女のように腕に時計を巻くものではない”」という暗黙の了解が一新。メンズ腕時計の歴史の幕が開かれようとしていました。

 

その主役こそがカルティエ3代目ルイ・カルティエと、ブラジルコーヒー王の御曹司アルベルト・サントス=デュモンの2人。飛行船の開発や操縦に携わり、数々の記録を打ち立ててきたアルベルトは航空界のパイオニアとして活躍していました。

 

カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」

 

ファッションリーダーとしても名高かったサントスはどんな時にもエレガンスを重んじる紳士だったと伝えられています。操縦中にもオーダーメイドのジャケットを着用していた彼は、ある日ルイに、飛行中時計を見ることができず自分のタイムを確認することもできないと相談します。先述の通り、当時の男性用の時計はすべて懐中時計で、毎度ジャケット内のジレの内ポケットから取り出さないと見られませんでした。操縦中のサントスにはもちろんそんな余裕はありません。

相談を受けたルイは、腕に着けることを前提とした時計を3年をかけて創作し1904年、世界初の男性用腕時計「サントス ドゥ カルティエ」を贈ります。当時の‘‘腕時計=女性が身に着ける贅沢品’’という固定概念を飛び越え、機能性とエレガンスを両立させたのです。

ともに時代を先取りする優れた先見性の持ち主。才能を認め合ったふたりの友情が、世界初の実用的腕時計の誕生に繋がりました。

 

[時代を超えたビジュアルと新しい素材]

形状が従来の丸型ではなく、正方形という異端のデザインであったにもかかわらず、成功を収めた「サントス ドゥ カルティエ」。

ビス留めされたブレスレットが特徴的ですが、これも飛行機のボディをつなぐネジからインスピレーションを受けています。誕生したきっかけが航空界の英雄であったことから、要所要所にスポーティテイストが加えられていますが、どこか上品で洗練された印象に仕上げたルイのセンスには脱帽せざるを得ません。

 

カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」

 

これまでの「サントス ドゥ カルティエ」は、ベゼルとブレスレットに異なる仕上げが施されていましたが、本作ではベゼルからブレスレットまでをマットな質感に統一し、一体感のあるルックスを実現。リュウズには、従来、ADLC 加工ケースのみに用いられてきたブラックスピネルをセットし、重厚感あるケースやブレスレットと深みのある調和を見せています。

 

個人的に、「サントス ドゥ カルティエ」コレクションの中でも比較的ベーシックなデザインであるこちらは、‘‘飾る時計’’ではなく‘‘整える時計’’だと感じています。

装いの雰囲気、所作のスマートさ、手元の存在感。そしてそこに新素材のチタンが持つ端正さ。その全てがつける人のイメージを邪魔することなく、むしろ引き上げてくれる。シーンを問わず主役にも名脇役にもなれる、その柔らかさと端正さを兼ね備えた唯一無二の気品こそが、長く愛される理由なのではないでしょうか。

 

 

Cartierのどんな枠にもとらわれない革新性から‘‘飛ぶために’’うまれた時計は、何度も進化を繰り返し、誕生から一世紀以上の時を経た今もなお、私たちの日常に自由さと余裕をもたらしてくれます。控え目でありながら存在感のあるデザインは、装いも心も軽やかに整えてくれる。

固定概念から飛び立つ瞬間を最も美しく形にしたこのコレクション。

新生サントスもまた同じように、一日一日を生き切る私たちに軽やかに寄り添ってくれることでしょう。

ぜひ一度店頭にてお試しくださいませ。

 

 

 

リファレンス:WSSA0089

ムーブメント:自動巻き

ケース素材:チタン

ケース幅:39.8mm

ケースの厚さ:9.38mm

防水:10気圧(約100m)防水

価格:¥1,742,400(消費税込)

 

 

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