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ウォッチコラム

24.05.13

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雫石と塩尻で作られる物語

GSはメカニカルは岩手県雫石、クオーツとスプリングドライブは長野県塩尻市で作られている。

それぞれの工房で培われてきた匠の技が、世界と戦える最高の制度と美しさを叶えている。

 

グランドセイコースタジオ雫石は2020年7月20日にGSのメカニカルの新たなる製造拠点としてオープンした。

予約制で一般公開もされている。

エントランスはGSの歴史やムーブメントの仕組みなどがわかる展示スペースとし、そこから奥に進むと組み立てや調整を行う工房の様子が見られるようになっている。

 

 

 

1998年に実現したGSメカニカル復活劇の舞台は、雫石であった。以来、機械式ムーブメントの製造を一手に担っている。

組立・調整には、およそ30名が専従。工程すべてが手作業であり、高度な専門性を持った人材を、マイスターまたはスペシャリストとして認定する独自の制度を設け、技術・技能の伝承し後継者を育成。そうして最高精度を育む。

グランドセイコースタジオ雫石のエントランスには、9SA5の全パーツが展示されている。総部品点数は200を超え、デュエルインパルス脱進樹のガンキ車とアンクルは、肉眼では形状が確認できないほどに小さく、これらを手作業で1点ずつ丁寧に組み込み、ムーブメントを完成させる。

 

 

 

機械式の力強さとクオーツの高精度が融合するスプリングドライブは1999年の誕生以来、信州で作られてきた。

現在、GSのクオーツの製造を担い、初代GSが搭載したCal.3180は、実は前身である諏訪精工舎であった。

クオーツとメカニカル両方のノウハウを持つからこそ実現された独自の機構は、それぞれの技術研鑽で進化を続ける。

 

【信州 時の匠工房】

塩尻の地にあるセイコーエプソン株式会社の信州 時の匠工房は、ムーブメントの組み立てから外装の製造・仕上げまで一貫して行うGSスプリングドライブとクオーツの生まれ故郷だ。ザラツ研磨や宝飾部門もある。

鏡面とヘアラインの各仕上げの下地となる、完璧な平滑面を作り出すザラツ研磨は、GSが追及する美しさの根源ともいえる。1960年代の導入当初から変わらず受け継がれてきた。

研磨紙を貼り付けた回転する金属板に押し当て、研磨する。指先の繊細な感覚だけを頼りに、職人は美を育む。

高度な機械加工と卓越した職人技術の融合から、最高峰の時計は生まれる。

 

 

 

 

【マイクロアーティスト工房】

マスターピースコレクションを手掛ける、信州 時の匠工房の中にある高級時計工房。

技能五輪国際大会で金メダルに輝いた1人の時計師が2000年に立ち上げたこの工房には、高い志を持つ各分野のエキスパートが集結、手仕上げの利いた時計が生み出されてきた。

 

 

 

 

 

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