歴史的なプロトタイプの再現
　1950年代後半からアメリカ海軍にダイバーズウォッチを提供していたチューダーは、より高機能な次世代型
の開発に乗り出す。その開発段階で、ある斬新な機能を持った試作品が生まれ、1968年に特許申請を行った。
　コードネーム「コマンドー」を冠したこの野心的なプロジェクトは商品化されることはなかったが、
設計図は同社のアーカイブに大切に保存されていた。この設計こそが、ケースに設けられたヒンジ式の機構で、
ロックを解除すると、ベゼルがリセットされ、ロックするとベゼルが固定されるものだった。これはメンテナ
ンスを容易にするものでもあった。リューズも当時のモデルと同時に４時位置に配置されている。

 

　2019年に発表されたブラックベイP01は「エンドリンク」と名付けられたこのヒンジ仕様が組み込まれた
が、その全機能を盛り込まず、主にロック機能のみが採用された。12時位置のラグの間に設けられ、

これを使って両方向回転ベゼルを固定することができるものだ。不意にベゼルが回転せぬようストッパーの役目を果
たす。

 

レザーとラバーのハイブリッドストラップ
　ブラックベイ P01のために開発されたストラップはラバーをベースに「スノーフレーク」のモチーフを背面